リンパマッサージのメニューを行うときに使用するマッサージオイルは、目的や用途に応じてさまざまな種類があります。
種類が多すぎて、どのオイルを使えばいいのかわからない人も多いはず。
そこで今回は、エステでよく使用されるマッサージオイルの種類と正しい選び方について解説していきましょう。
エステでマッサージオイルを使うことのメリットと効果
エステでマッサージオイルを使うことは、施術の効果を高めるメリットが多くあります。
ここでは、マッサージオイルの効果やメリットについて解説していきましょう。
【出典】The 7 Best Massage Oils
https://www.healthline.com/health/best-massage-oil
スキンケア効果
マッサージオイルには、保湿効果があります。オイルは肌に浸透しやすく、肌をしっとりと保湿してくれます。
また、マッサージ中にオイルが肌に浸透することで、肌の表面にある古い角質を取り除き、滑らかな肌を作る土台となるのです。
リラックス効果
マッサージオイルは、肌に滑りやすくするために使用されるため、マッサージがよりスムーズになります。
その結果、筋肉が緩んで緊張が和らぎ、全身のリラックス効果をもたらし、体の痛みやコリをほぐす役割があります。
摩擦の低減
マッサージオイルを使用することで、肌同士の摩擦が低減しお肌に負担がかかりにくいです。
肌が摩擦で擦れてしまうと、色素沈着や摩擦でお肌を傷めてしまう原因になります。
それらを防ぐためにも、マッサージオイルは摩擦を低減し肌トラブルから守ってくれます。
血行促進
マッサージオイルを使用することで、指圧やストロークがより効果的になり、血液やリンパ液の流れを促進します。
これにより、体内の老廃物や毒素が排出され、新陳代謝が改善されるので便秘や冷え性の改善などの効果が期待できます。
疲労回復
マッサージオイルには、筋肉の疲れを回復する効果があります。マッサージによって筋肉が緩むことで、疲労回復につながるでしょう。
また、マッサージオイルには、筋肉を修復するために必要な栄養素が含まれている場合があるので、成分によっては疲れを軽減してくれるオイルも人気です。
エステで使用されるマッサージオイルは2種類に分けられる
エステで使用されるマッサージオイルは、主に以下の2種類に分けられます。
植物系のキャリアオイル
石油系のミネラルオイル
それぞれのオイルの特徴と、代表的なオイルを解説していきましょう。
植物系のキャリアオイル
植物系オイルは、キャリアオイルとも呼ばれ植物から抽出された油です。
これらのオイルには、保湿、栄養、抗炎症、抗酸化、抗菌、抗真菌、保護などのさまざまなメリットがあります。
植物系オイルは、肌の状態を改善するために主にリンパマッサージで使用されることがあり、施術でも使われることが多いオイルです。
例えば、ホホバオイルは、ビタミンEなどの抗酸化作用の高いビタミン類も豊富に含まれているためシワやたるみを防ぎ、肌のターンオーバーを整える効果が期待できます。
また、オリーブオイルから抽出されるスクワランには、皮脂に近い成分で、お肌のうるおいを守る保湿効果をはじめ、お肌をやわらかく保つエモリエント効果、バリア機能を高める働きなど、お肌をすこやかに保つために役立ちます。
エステでは、植物系オイルをフェイシャルトリートメントやボディトリートメントに使用することがあります。
これらのトリートメントにより、肌を柔らかくし、しっとりとさせ、健康的な輝きを与えることができます。
ただし、個人のアレルギーによって肌の反応が異なるため、使用前にはパッチテストを行うことが重要です。
石油系のミネラルオイル
石油系のミネラルオイルは、主に鉱物から作られる汎用性の高いオイルです。
安価で大量に仕入れられ、日持ちもするので使用量の多いボディ用に使用しているサロンもあります。
また、石油系のミネラルオイルは肌に浸透せずに伸びがいいため長時間の施術の際には役立つでしょう。
しかし、皮膚に浸透しないため植物系オイルよりも保湿効果は低く、肌にオイルが残りやすいといったデメリットもあります。
ただ、ミネラルオイル自体は刺激性やアレルギーリスクが低いため、肌質を選ばず使えるところがメリットです。
ヘアケアやヘッドスパにおすすめのマッサージオイル
ヘアケアやヘッドスパに使用するオイルは、基本的にボディ用ではなく「頭皮用」のオイルを選びましょう。
頭皮用のオイルは、毛穴汚れを吸着し固まった頭皮をほぐし、髪の毛を健やかな状態にする効果があります。
おすすめのオイルの種類は、ツバキオイル・オリーブオイル、アルガンオイルなど、植物性のオイルが向いています。
また、上記に精油をブレンドすることで、香りがプラスされリラックス効果も期待できるでしょう。
頭皮のマッサージ方法は、乾いた髪の毛に指の腹で地肌にオイルを馴染ませるように、生え際→頭頂部に向かってマッサージします。
その後、しっかりとシャンプーでオイルを洗い流しタオルドライします。
フェイスマッサージにおすすめのオイル
フェイスマッサージに使用するオイルは、ベタつきが少なく、みずみずしいテクスチャーを選ぶのがおすすめです。
また、保湿や美肌成分が優れている成分を取り入れるといいでしょう。
・スクワランオイル
・アーモンドオイル
・アルガンオイル
・ヒマシオイル
上記のオイルは、保湿効果が高く肌に浸透して、美肌効果も期待できるマッサージオイルです。
頭皮のオイルと同じように、精油で香りを与えることで施術のリラックス効果も期待できるでしょう。
フェイスマッサージは、強くこすりすぎると色素沈着の原因になってしまうこともあるため、力を入れすぎず繊細なタッチで施術します。
マッサージの順序は、肌の内側→外側に向かって円を描くように指をすべらせるのが基本です。
最後に首の横のリンパを流すように、下方向に老廃物を流してあげましょう
マッサージオイルの正しい選び方
マッサージオイルを選ぶ際は、使用する部位やお客様の肌悩みをカウンセリングしながら選ぶのが最適です。
ここでは、マッサージオイルの正しい選び方について解説しています。
どこの部位に使うのかで選ぶ
オイルには、ボディ用や特定のパーツ専用のものまで、さまざまな種類があります。
例えば、フェイス専用のものは、サラサラとして伸びが良く浸透力も高いのが特徴です。
また、ボディ用は肌全体の水分を逃さないようなバリア機能の高いものが多いです。
もちろん全身に使用できるオイルもあるので、メニューの用途に応じて使い分けるのもいいでしょう。
改善したい悩みで選ぶ
マッサージオイルの施術をする前には、お客様のカウンセリングを行います。
そのカウンセリングで、引き出したお悩みに応じたオイルを選びましょう。
ボディオイルは基本的にどれも保湿力がずば抜けて高いのが特徴ですが、乾燥肌を徹底してケアしたい場合は、さらっと軽いテクスチャーのものより、しっかりコクのあるテクスチャーのものを選ぶといいでしょう。
また冷えやむくみの改善には、しっかりと伸びるタイプのオイルを使って血行を促進してあげるのがポイントです。
【出典】Try This: 18 Essential Oils for Sore Muscles
https://www.healthline.com/health/fitness-exercise/essential-oils-for-sore-muscles
テクスチャーや使いやすさで選ぶ
マッサージオイルを選ぶ際は、拭き取りやすいものかつベタベタが残りにくいものを選ぶようにしましょう。
拭き取りに時間がかかるようだと、施術の時間ロスにもなりますし、肌に残りやすいオイルはニキビや肌荒れの原因にもなります。
オイルマッサージの注意点
せっかく上質なオイルを使用してマッサージをしても、間違った使い方をすれば逆効果です。
ここでは、オイルマッサージの注意点について見ていきましょう。
オイルの量はケチらないでたっぷりと使用する
マッサージの摩擦によって、肌がダメージを受けてしまわないように滑りのよいボディオイルをたっぷりとつけて施術をしましょう。
はじめからたっぷりと使用することで、付け足す必要がないのであまりケチらずに使用するのがポイントです。
体調が悪い時は施術を避ける
発熱や風邪などで体調が悪いときにマッサージをすると、症状を悪化させてしまう可能性があります。
事前にお客様の体調をヒアリングしてから施術に入りましょう。
力を入れすぎないこと
マッサージは力を入れず、優しくさする程度に行うのが基本です。
特にリンパ管は皮膚のすぐ下を通っているため、力を入れなくても刺激されます。
あまり力を入れてしまうと、もみ返しや痛みの原因になってしまうので、気をつけましょう。
まとめ
今回は、マッサージオイルの選び方について解説してきました。
マッサージオイルを使うことで、お客様にリラックスや施術の効果を感じてもらいやすくなります。
また、オイルによっては効果が異なるので、お客様に合ったオイルをカウンセリングで肌悩みから選ぶことが重要です。
マッサージオイルを正しく選んで、施術の効果をさらに高めていきましょう。