施術に取り入れたい、ホットストーンの効果

石を使ったリラクゼーションは、古来より私たちの身近にあり親しまれてきました。

最近では、ホットストーンと呼ばれるアメリカ発祥のスパメニューが日本でも人気です。

今回は、ホットストーンの概要や実際に施術メニューに取り入れる際のポイントや注意点を解説していきましょう。

ホットストーンとは?

ホットストーン

ホットストーンの起源は諸説ありますが、アリゾナ州のネイティブアメリカンの民間療法をマリー・ネルソンが研究を重ねて現代風にアレンジして施術として誕生したと言われており比較的、歴史の浅いものと考えられます。

ただ、石を使ったリラクゼーションは昔から中国やエジプトでも行われており、多くの人に親しまれている施術だと言えるでしょう。

ホットストーンの施術は、50〜60度に温めた「玄武岩(げんぶがん)」溶岩石を体の上に置き、体が温まったらオイルなどを使い石を滑らせるようにマッサージしていきます。

ホットストーンの効能

ホットストーンの効能は、主に3つあります。

1つ目は、新陳代謝を上げてくれるので冷え性が改善する効能です。

ホットストーンの遠赤外線の熱は、体の芯から温めてくれ深部体温を上げて冷えを解消してくれます。

2つ目は、リラクゼーション効果です。

ホットストーンをカッサのように滑らせてマッサージさせることで、リラックス効果が得られ自律神経も整います。

3つ目は、もみ返しが少なく筋膜リリースという点です。

もみ返しは、筋繊維が炎症を起こしていることが原因ですが、ホットストーンのマッサージの場合は筋繊維が傷つきにくく炎症を起こしにくいので、もみ返しが少なくて済みます。

また、体を石で温めてほぐしてからマッサージをするので、もみ返しのリスクが少ないのもポイントです。

ホットストーンの温め方のポイント

オイル

ホットストーンの施術を取り入れる上でポイントになるのは、石の温度です。

石は、お客様が心地いいと感じられる50度〜60度に温めなければなりません。

温める方法は、ホットストーン専用のウォーマーがあるので、それを購入してもいいですし、ホットプレートに水を張って石を入れて温めるという方法もあります。

石が熱すぎる場合は、冷却用の濡れタオルを置いておいて、いったんそこにおいて冷ましましょう。

また、お客様の体に石を乗せる前には必ず適温かどうか温度確認をしてください。

温度確認は、自分の腕の内側の薄い皮膚の部分で行います。

手のひらや皮膚の熱いところは、熱さを感じにくいので、皮膚の薄い部分で確認するのがポイントです。

ただ、足の裏や背中は鈍感なので熱が感じにくい部分は少し熱めにしておきます。

お客様の体に乗せたら、「熱くないですか?」と必ずお声をかけるようにしましょう。

石をしばらく乗せる場合は、直乗せではなく薄めのタオルを敷いてあげるのがおすすめです。

また、石は40度以下になるとお客様が冷たいと感じてしまうこともあるので、注意してください。

 

出典:(Don’t) Feel the Burn: Hot Stone Massage

https://www.amtamassage.org/publications/massage-therapy-journal/hot-stone-massage

ホットストーンで使用するオイルについて

ホットストーンで使用するオイルは、吸収性の良い植物オイルがおすすめです。

また、施術の際にはマッサージのたびにオイルを手に取るのは手間になってしまうので、温めた石をオイルに漬ける方法もあります。

この方法だと、オイルも温まりマッサージもしやすくなるでしょう。

ホットストーン施術の中には、安いミネラルオイルを使用しているサロンもありますが、そのようなオイルは、石油由来の安いオイルであまりおすすめできません。

使用するオイルは、吸収性のいい天然の植物性のオイルがおすすめで肌馴染みもいいでしょう。

また、香りのするアロマ成分が入っていると、リラクゼーション効果も高まるのでおすすめです。

上質なオイルを使用するホットストーンは、オイルの原価だけでも1,500〜2,000円はするので、メニュー料金の相場は10,000〜15,000円と高価な値段のものが多いです。

【出典】:Learn how to safely practice massage therapy with hot stones

https://www.amtamassage.org/publications/massage-therapy-journal/hot-stone-massage

ホットストーンを使ったマッサージのポイントについて

ホットストーンを使ったマッサージのポイントは、以下の3つです。

手の圧力を一定にする
マッサージのスピードを一定にする
全身を使ってマッサージする

マッサージは手や指だけではなく、自分の胸も腕と一緒に動かして大きくマッサージします。

自分の体全体を使ってマッサージするという感覚で施術を行いましょう。

また、圧とリズムは一定にキープすることがお客様が気持ちいいと感じるポイントです。

【出典】6 Benefits of Hot Stone Massage

https://www.healthline.com/health/hot-stone-massage

使用する石の量について

ホットストーンは、全身の場合約28個程度を目安に使用します。

【上半身】(背中〜腰)に10個程度

【下半身】
太もも裏 2個x2
ふくらはぎ 2個x2
足裏   1個x2
足の指の間 4x2

合計28個使用します。

じっくり温めたら、ボディマッサージをしていきます。
石のへりを使用してかっさのように滑らせながら、マッサージをしていきましょう。

ホットストーンの施術ができない方

ホットストーンの施術の前に、カウンセリングで以下の方に該当する方は施術はできません。

体調不良の方
貧血の方
高血圧の方
妊婦の方
その他うつ伏せになるのか難しい方

ホットストーンは、基本的にうつ伏せで行う施術なので、うつ伏せになることが難しい妊婦の方はできません。

また、うつ伏せになるのが難しい方や、貧血・高血圧気味の方も体が急に温まるホットストーンの施術は避けた方がいいでしょう。

事前に、カウンセリングを行いトラブルのないようにしておくのがおすすめです。

まとめ

今回は、施術に取り入れたいホットストーンの解説と施術方法、ポイントをご紹介しました。

ホットストーンは、アメリカで発祥し日本でも人気の高い施術メニューです。

体が温まり、リラックス効果もあるのでお客様の満足度も高まります。

また、お客様一人当たりの単価も高いので、メニューに取り入れることができれば利回りもアップするでしょう。

ぜひ、ホットストーンの施術をサロンのメニューに取り入れてみてはいかがでしょうか?