エステサロンでのマッサージには、さまざまなオイルが利用されます。そのなかの一つが、水溶性オイルです。
水溶性オイルは一般的なオイルとどのような違いがあるのか、メリットやデメリットを確認し、自分に合うか考えてみましょう。
より自分のお肌に合うオイルや自分の目的に応じたオイルを選ぶことで、より効率的に美しい体を目指せるでしょう。
出典:CROP AND INSECT RESPONSE TO HORTICULTURAL
https://swfrec.ifas.ufl.edu/docs/pdf/entomology/publications/Stansly_Non_Stansly05.pdf
水溶性オイルとは
水溶性オイルとは、水と油を乳化させて作った、水で簡単に洗い流せるオイルのことです。
「水で希釈するオイル」という意味で、エッセンシャルオイルなどの精油を希釈する際に使われます。
エッセンシャルオイルは濃度が高く、そのままお肌に使うと刺激となってしまうこともあります。
そのため、水溶性オイルを混ぜて濃度を薄くし、お肌に優しい使い心地にします。
水溶性オイルは一般的なオイルと比較してテクスチャーが軽いのも特徴で、さらりとした使い心地が好きな方に好まれます。
また、施術する側にとっても水溶性オイルにはメリットがあります。
掃除や洗濯の負担が一般的なオイルより少なく、作業を効率化できることから、水溶性オイルをオイルを取り入れているエステサロンは多いです。
水溶性オイルの種類
水溶性オイルと一口にいっても、その種類はさまざまです。
主にミネラルベースの水溶性オイルと植物性の水溶性オイルがあります。それぞれの違いやどのような種類があるのかを見てみましょう。
ミネラルベースの水溶性オイル
ミネラルベースの水溶性オイルのなかでも代表的なものが、ベビーオイルです。
ベビーオイルは赤ちゃんのお肌にも使える優しい素材ですが、肌には浸透しないという特徴があります。
長時間マッサージしてもつぎ足す必要がなく施術側にとっては便利ですが、美容成分の浸透を期待している方にとっては満足感を得にくい可能性があります。
あくまで体や筋肉の疲れを取るマッサージなどに使うことがおすすめです。
植物性の水溶性オイル
植物性の水溶性オイルは、その名の通り植物由来のオイルです。
ヒマワリオイル(サンフラワーオイル)、コメ胚芽油、コメヌカ油、アーモンドオイルなどがあり、テクスチャーもさまざまです。
コメ由来の水溶性オイルは比較的さらりとしていますが、ヒマワリオイルやアーモンドオイルなどはこっくりとした使い心地を実感しやすいでしょう。
植物由来のオイルは刺激が少なくお肌に優しいですが、人によってはかえって刺激になることもあります。
植物由来の水溶性オイルを利用する際は、自分に合うテクスチャーか、デメリットはないかをしっかり確認することも大切です。
水溶性オイルのメリット
水溶性オイルは、施術をする側にも施術を受ける側にもメリットがあります。
においを落としやすい、べたつきにくい、さらに植物由来で優しい使い心地という、3つのメリットをチェックしてみましょう。
出典:11 Essential Oils: Their Benefits and How To Use Them
洗濯でにおいを落としやすい
タオルや施術着に付着した水溶性オイルは、洗濯で比較的落としやすいのがメリットです。
一般的なオイルはタオルや施術着に付着すると落としにくく、洗濯しても独特のにおいが残ってしまいます。
エステサロンで繰り返し使う場合は何度も洗濯を繰り返す必要があり、その分傷みやすいという問題もあります。
一方で、水溶性オイルなら一度の洗濯でしっかり汚れやにおいを落とせるため、スタッフの手間が省けるだけでなく施術に必要なアイテムが長持ちしやすいです。
べたつきが少ない
水溶性オイルは一般的なオイルと比較すると軽い使い心地のものが多く、ベタつきが少ないです。
マッサージに使うオイルがベタついていると、どうしても不快感を抱いてしまう方は多いです。
とくに夏場は汗もかくため、ベタつきが残るオイルを利用することに抵抗を感じる方も多いでしょう。
施術をする側にとっても、ベタつきが強いオイルは滑りにくく、施術中に周囲をベタベタと汚してしまう可能性もあります。
さらりとした水溶性オイルならベタつきにくいだけでなく、水でさっと拭き取れるので、施術や清掃の手間を省くことが可能です。
植物由来の優しいものが多い
水溶性オイルは先述のとおりヒマワリやアーモンドなど、植物由来のものが多く、肌に優しい傾向にあります。
植物性であればすべてのものがお肌にいいわけではありませんが、ケミカルなものを体に使うことに抵抗を感じる方におすすめです。
ヒマワリオイルはお肌だけでなく肌にもいい、アーモンドオイルは油分がしっかりあるため乾燥対策になるなど、それぞれの役割も違います。
自分の肌の悩みに合わせて、最適な植物由来の水溶性オイルを使ってみましょう。
水溶性オイルのデメリット
水溶性オイルにはメリットだけでなくデメリットもあります。
人によってはお肌への刺激や乾燥が気になってしまいます。。
状況に応じて適切な種類のオイルを選べるよう、水溶性オイルのデメリットも確認しておきましょう。
界面活性剤が気になる人もいる
水溶性オイルは、水と油を乳化させるという特性上、界面活性剤が使用されています。
界面活性剤はお肌に必要な水分まで奪ってしまうこともあり、人によっては刺激が気になります。
近年は界面活性剤不使用のスキンケアアイテムやコスメも多く登場しているので、あえて界面活性剤入りのアイテムは使いたくないと考える人もいます。
一般的なオイルより乾燥しやすい
水溶性オイルは一般的なオイルより軽いのが魅力ですが、その分乾燥もしやすいです。
とくに冬場やエアコンの長時間あたる環境で過ごしている方は、水溶性オイルでは保湿力が物足りないと感じることもあるでしょう。
水溶性オイルの上からさらにクリームなどで保湿するといった対策が必要です。
水溶性オイルの選び方
水溶性オイルはどのように選べばいいのかを解説します。
マッサージの目的や使用用途に合わせて、最適な水溶性オイルを選びましょう。
全身マッサージを手軽にしたいならミネラルオイル
全身のマッサージを効率的に行いたいなら、ミネラルオイルがおすすめです。
ミネラルオイルは肌に吸収されず、長時間とどまってくれます。
そのため、途中でつぎ足す必要がなく、スムーズに全身のマッサージを済ませられるでしょう。
少量でたっぷり使えるので、コスパのいい水溶性オイルを探している方にもおすすめです。
精油を足したい場合は植物由来の水溶性オイル
水溶性オイルに精油をプラスしてマッサージなどに使いたい方には、植物由来の水溶性オイルがおすすめです。
ミネラルオイルはお肌に浸透しないという特徴を持っているため、ミネラルオイルに精油を混ぜても十分な美容効果が得られなくなってしまいます。
マッサージによる美肌や血行促進などを期待している方は、植物由来の水溶性オイルかどうか事前に確認しましょう。
植物由来の水溶性オイルは酸化が早く、一度開封すると早めに使い切らなければならないという点には注意してください。
目的に合ったオイルを選ぼう
マッサージに使われることの多い水溶性オイルについて解説しました。
水溶性オイルはさらりとした使い心地で、施術や清掃の負担も少ない点から、多くのエステサロンで取り入れられています。
使い心地がいいのは魅力的ですが、人によっては乾燥しやすいケースもあるので、自分に合うオイルを見つけることが大切です。
マッサージによく使われるオイルについては、マッサージオイルのページを参照にしてください。